日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
画像変化を観察した両側乳腺内発生MTX関連リンパ増殖性疾患の1例
藤光 律子竹下 盛重吉満 研吾
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 76 巻 12 号 p. 2892-2897

詳細
抄録

慢性関節リウマチ(以下RA)によるメソトレキセート関連リンパ増殖性疾患の自然退縮は知られている.今回methotrexate(以下MTX)中止後,病変の組織学的変化を画像にて捉えられた症例について報告する.
RA治療中の63歳の女性.10年間内服したMTX中止後に造影CTを施行し,両側乳腺病変および数個の皮下腫瘤を指摘.超音波で全病変が後方エコーを伴う低エコー,一部極低エコーを呈し,悪性リンパ腫を疑った.両側乳腺病変のelastographyはelasticity score 2であった.細胞診は,免疫染色にてび漫性大型B細胞リンパ腫と診断.その後,皮下腫瘤は消失,両側乳房病変は縮小した.乳房造影MRIは両側共遅延性濃染,拡散制限は認めず,超音波ではいずれも縮小しelastographyではelasticity score 3であった.乳房の針生検では間質の線維性変化を認め,大型異型リンパ球は認めなかった.

著者関連情報
© 2015 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top