日本臨床外科学会雑誌
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症例
術後サーベイランスで乳房超音波が有用であった遺伝性乳癌の1例
叶 典子五味 直哉新井 正美岩瀬 拓士
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キーワード: 乳癌, HBOC, サーベイランス
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2015 年 76 巻 12 号 p. 2925-2929

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抄録

症例は33歳,女性.母,母の姉2人(BRCA1変異有り),従姉の乳癌家族歴があり,遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)が疑われた.左乳癌の診断で乳房切除術,センチネルリンパ節生検を施行した.遺伝学的検査でBRCA1に変異を認めた.
術後半年後の超音波検査(US),1年後のマンモグラフィ(MMG)では所見がなかったが,1年半後のUSで右乳腺に第二癌を認めた.乳房切除術,センチネルリンパ節生検を施行した.術後無治療で2年半無再発である.
本症例はMMGで明らかな所見を認めず,USとMRIで病変を指摘できた.当院でのHBOC術後サーベイランスはUSを半年毎に行っている.
欧米のガイドラインでは術後サーベイランスでMMGやMRIが推奨されているが,頻回に実施可能で,被曝や造影剤の危険性がないUSも第二癌の発生率が高いHBOCのサーベイランスに有用であると考えられた.

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