日本臨床外科学会雑誌
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症例
Hartmann術後せん妄による人工肛門自己抜去の1例
坂本 渉島貫 公義原 敬介武田 幸樹旭 修司竹之下 誠一
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2015 年 76 巻 5 号 p. 1078-1080

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抄録

認知症高齢者のストーマケアは比較的困難であることが多いが,人工肛門自体を損傷することは,まれである.今回われわれは,術後に発症したせん妄時に人工肛門を自己抜去し,緊急手術となった症例を経験したので報告する.症例は89歳の男性.直腸癌に対してHartmann手術を施行し,術後1日目夜に不穏となり病室にて人工肛門を引き抜き,腸管を引きちぎって床に投げ捨てているところを訪室した看護師が発見,緊急手術で人工肛門を再造設することとなった.外科医側でコントロールできる原因としては高すぎる人工肛門,腹膜内ルートでの挙上,を可能性として挙げることができ,高齢者の人工肛門造設では認識すべき点であると考えられた.

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© 2015 日本臨床外科学会
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