日本臨床外科学会雑誌
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症例
胸膜播種により発見された背部悪性黒色腫の1例
石橋 佳北田 正博松田 佳也林 諭史平田 哲三代川 斉之
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2016 年 77 巻 12 号 p. 2926-2930

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抄録

症例は63歳の男性,咳嗽と労作時呼吸困難を主訴に近医を受診した.胸部X線写真で著明な左胸水貯留を認めたため,精査目的に当科へ紹介となった.胸部CTで左胸壁,横隔膜に多発する結節を認めたが,左右の肺実質,縦隔,肺門部に明らかな異常所見は認められなかった.胸水細胞診では悪性細胞を認めず,確定診断目的に胸腔鏡下胸膜生検術を施行した.壁側および臓側胸膜,横隔膜に黒褐色の大小不動な結節を多数認め,同部位からの生検で悪性黒色腫の診断を得た.原発巣は幼少時から存在した先天性母斑から発生したものと考えられた.

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© 2016 日本臨床外科学会
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