日本臨床外科学会雑誌
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症例
EUS-FNA後のneedle tract seedingにより胃壁転移した膵体部癌の1例
山内 淳一郎小林 信宮崎 健人安食 隆土原 一生石山 秀一
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キーワード: 膵癌, EUS-FNA, needle tract seeding
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2016 年 77 巻 12 号 p. 2994-2999

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抄録

67歳の女性,膵体部腫瘤に対して経胃的なEUS-FNAの後,膵体尾部切除術を施行した.病理結果は中分化型管状腺癌,治癒切除であり,補助化学療法終了後,経過観察中であった.術後22カ月,上部内視鏡検査でEUS-FNAの穿刺部位と一致した約30mm大の粘膜下腫瘍を認めた.生検にて腺癌の診断となり,膵癌診断時のEUS-FNA穿刺ルートに再発したneedle tract seeding(NTS)による胃壁転移の疑いにて胃部分切除術を行った.病理検査では粘膜下層を中心とした中分化型管状腺癌の増殖を認め,免疫組織染色でも膵癌原発巣と染色パターンが一致,膵癌胃壁転移と診断した.
EUS-FNAの穿刺部位が切除範囲に含まれない膵体尾部癌術後には胃壁転移に注意が必要である.EUS-FNAによる胃壁へのNTSは腹膜播種の一亜型でありながら,早期発見により治癒切除が可能な再発形式と考える.

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© 2016 日本臨床外科学会
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