日本臨床外科学会雑誌
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症例
集学的治療を行った残胃癌胃全摘17年後腹壁転移の1例
革島 洋志出村 公一今川 敦夫小川 雅生川崎 誠康亀山 雅男
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2016 年 77 巻 2 号 p. 351-357

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抄録

症例は64歳,男性.1990年に早期胃癌に対し幽門側胃切除を施行され,1997年に残胃癌に対し残胃全摘,脾摘を施行された.2013年頃から上腹部創部腫瘤を自覚され,2014年9月に形成外科を受診,生検にて腺癌と診断され外科紹介となった.CT上,上腹部創部の腹壁に腫瘤を認め,PET-CTでは腹壁腫瘤以外には異常集積像を認めなかった.生検組織像は免疫染色を含めて残胃癌の標本と類似のパターンを示したことより残胃癌の腹壁転移と診断し,化学療法の方針とした.SP療法で蕁麻疹が出現したためXP療法に変更し2コース施行し,CT上PRが得られたために腫瘍切除,腹壁・横隔膜合併切除,腹壁再建を施行した.最終病理診断はmetastatic adenocarcinoma (sig),断端陽性,R1切除であり,術後化学放射線療法を追加し現在無再発生存中である.

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© 2016 日本臨床外科学会
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