日本臨床外科学会雑誌
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症例
S状結腸軸捻の内視鏡的整復後に異時性に発症した盲腸軸捻の1例
公文 剣斗宇田 征史吉岡 貴裕村田 年弘上塚 大一
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2016 年 77 巻 2 号 p. 378-381

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抄録

症例は55歳の男性で精神発達遅滞のため近医に入院中,S状結腸軸捻により内視鏡的整復の既往歴あり.腹痛・腹部膨満を主訴とし,当院へ紹介受診となった.腹部膨満顕著で,腹部単純X線検査では全大腸の高度拡張を認め,S状結腸軸捻再発を疑うが造影CT検査にて上腸間膜動脈末梢および間膜の捻転,それに伴う回盲部の血流障害を認め,盲腸軸捻と診断した.S状結腸軸捻再発の否定,虚血程度の確認,内視鏡的整復を行う目的で下部消化管内視鏡検査を行った.S状結腸軸捻は認めなかったが,右側結腸へ内視鏡を到達できず,緊急開腹手術を施行した.回盲部から上行結腸にかけ後腹膜との固定不全により回結腸動静脈の間膜が捻転しており,同領域の腸管の拡張・壊死を認め,右半結腸切除を施行した.S状結腸軸捻の既往歴のある患者に盲腸軸捻を異時性に発症した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

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© 2016 日本臨床外科学会
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