日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳房温存術8年後に発症したPaget病の1例
齋藤 善広鈴木 幸正横山 智笹野 公伸
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2016 年 77 巻 6 号 p. 1329-1335

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抄録

乳房温存手術後8年目にPaget病を発症した症例を経験したので報告する.症例は,初回手術時47歳の女性,非浸潤性乳管癌の診断で乳房温存手術兼腋窩郭清を施行後,ER/PgRが陰性であり,放射線療法のみで経過観察となった.病理診断はpTis,N0,断端まで1.2cmであった.8年後に乳頭部のびらんで発症,乳房内に病変を認めず,Paget病の診断で乳房切除術のみ施行した.病理診断は乳頭・乳輪部に限局するPaget病で,乳腺内に病変は認めなかった.再発かde novoに発生した病変かの判別に,ホルモン受容体・各種上皮性マーカー・HER-2・P53・Ki67を用いた免疫組織化学的検索を行った.結果はKi67標識率のみが異なっていたが,他のマーカーはすべて同様の発現動態を示し,再発かde novo発症かの結論は困難であった.

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© 2016 日本臨床外科学会
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