日本臨床外科学会雑誌
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症例
絞扼性イレウスに併発した非閉塞性腸間膜虚血症の1例
岡山 卓史山中 直樹亀岡 宣久横畑 和紀的場 直行
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2016 年 77 巻 6 号 p. 1458-1463

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抄録

NOMI(non-occlusive mesenteric ischemia)とは,診断に難渋し極めて予後不良な疾患である.症例は82歳,女性.昼食後の嘔吐・歩行困難にて当院紹介受診となった.CT検査上索状物による絞扼性イレウスが考えられ,同日緊急手術を行った.術中絞扼部の壊死腸管に隣接して回腸の一部に分節状に虚血を疑わせる所見を認めたが上腸間膜動脈の閉塞は認めず,境界は不明瞭であった.Second look operationを念頭にして絞扼腸管のみ切除し,手術を終了した.20時間後に理学所見より再手術を行ったところ,小腸の大部分からS状結腸までの広範囲にわたり非連続性の壊死を認めた.壊死腸管を全て切除し空腸人工肛門を造設した.術後全身状態は安定し,長期療養型病院へ転院となった.術中にNOMIを疑わせる所見を認めたため術後慎重に経過を診ていき,期を逸することなくsecond look operationを行い救命した症例を経験したので,文献的考察を含めて報告する.

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© 2016 日本臨床外科学会
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