日本臨床外科学会雑誌
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症例
Pfannenstiel切開後に発生した両側性腹壁瘢痕ヘルニアの1例
柿添 学中嶌 雅之大山 倫男小野 秀高馬場 裕之杉田 光隆
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2016 年 77 巻 7 号 p. 1843-1847

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抄録

症例は73歳,女性.2014年8月に卵巣嚢腫と子宮筋腫に対して,腹式子宮全摘術および両側附属器切除術をPfannenstiel切開法にて施行された.2015年3月頃より下腹部の膨隆と違和感が出現し,当科紹介受診.CTで両側下腹部にそれぞれ腹壁瘢痕ヘルニアを認め,手術の方針となった.同年4月に腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア根治術を施行した.ヘルニア門は両側ともに腹直筋の外側かつ内側鼠径窩の内上方に位置していた.メッシュの固定は,頭側ではDouble Crow法でタッカーを用いて腹壁に固定したが,尾側では,膀胱上にメッシュを固定するのを避けるため,腹膜を切開して腹膜前腔にメッシュを展開し,Cooper靱帯,腹直筋および腹横筋にタッカーを用いてメッシュを固定した後,腹膜をメッシュに縫合固定した.術後経過は良好で再発は認めていない.腹壁瘢痕ヘルニアとしては稀なPfannenstiel切開術後の1例を経験したので報告する.

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© 2016 日本臨床外科学会
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