日本臨床外科学会雑誌
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症例
術後3年3カ月で傍大動脈リンパ節再発したStage I SM直腸S状部癌の1例
奈良 昌樹野崎 剛大石 晋吉原 秀一舘岡 博
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2017 年 78 巻 11 号 p. 2481-2485

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抄録

症例は67歳,女性.直腸癌(RS)の診断で高位前方切除・D2郭清を施行,T1(SM)N0H0P0M0 fStage Iの診断であった.術後3年3カ月目にCEA上昇を認め精査施行したところ腹部CTで傍大動脈リンパ節腫大を認め,開腹生検にて大腸癌由来の腺癌の診断を得た.消化管精査や造影CTでは他に原発巣となり得る病変や転移は認めず,Stage I SM大腸癌からの傍大動脈リンパ節再発と診断した.Stage I大腸癌の再発率はRSを含む結腸癌で2.7%,深達度SMでは1.3%とされている.また,傍大動脈リンパ節再発頻度はS状結腸癌で2.1%,直腸癌で1.9%との報告があり,そのうち97.1%は深達度SS以深であった.また,約31%で肝転移を,約20.8%で腹膜播種を伴っていた.Stage I SM大腸癌で傍大動脈リンパ節単独に再発をきたした極めて稀な症例を経験したので報告する.

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