日本臨床外科学会雑誌
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症例
胆嚢結石圧迫を原因とした胆嚢右主肝管瘻を伴うMirizzi症候群の1例
野口 大介小松原 春菜河埜 道夫近藤 昭信田中 穣長沼 達史中野 洋
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2017 年 78 巻 5 号 p. 1084-1090

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抄録

症例は48歳,男性.来院5日前より黄疸を認め当院内科受診,閉塞性黄疸の診断で入院となった.CT・MRI検査にて胆嚢結石による肝門部胆管の圧排所見を認め,Mirizzi症候群と考えられた.経鼻胆道チューブを挿入し黄疸改善後に手術施行した.胆嚢を切開し胆石を摘出したが,さらに肝床部に嵌まり込む胆石を認めた.摘出すると胆汁の噴出があり,胆嚢と右主肝管の瘻孔を認めた.遺残胆嚢壁に加えて胆嚢板を用いた瘻孔閉鎖を行い,総胆管にTチューブを挿入した.術後,合併症なく経過した.胆嚢と総肝管より上流に位置する胆管との内胆汁瘻に対して,自験例では低侵襲かつ簡便な術式で良好な結果を得ることができた.

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© 2017 日本臨床外科学会
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