日本臨床外科学会雑誌
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症例
印環細胞を主体としたALK陽性肺腺癌の1例
今村 史人間瀬 憲多朗角 勇作檜山 和寛中野 順隆神賀 正博
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2017 年 78 巻 5 号 p. 962-965

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抄録

症例は63歳,男性.検診で胸部異常陰影を指摘され,外来を受診した.胸部CTで右肺下葉に結節影を認め,肺癌を疑い,画像上,遠隔転移を認めず,手術の方針となった.胸腔鏡下右肺下葉切除術,縦隔リンパ節郭清(ND2a-1)を施行した.病理診断は,印環細胞成分を60%含む,腺癌であった.上部消化管内視鏡で胃癌を認めず,免疫染色ではTTF-1陽性,CK-7陽性,CK-20陰性であり,原発性肺癌と診断した.また,ALK遺伝子変異を認めた.印環細胞成分を含む,原発性肺癌は比較的稀であるが,高率にALK遺伝子変異陽性であることが知られ,ALK阻害剤が有効である点で臨床的に極めて重要であり,報告する.

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© 2017 日本臨床外科学会
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