2017 年 78 巻 6 号 p. 1326-1331
症例は48歳,男性.大腸癌検診にて便鮮血陽性を指摘され,当院を受診した.下部消化管内視鏡検査にて上行結腸に2型病変を認めた.術前の生検では高分化から中分化型管状腺癌の診断であり,腹腔鏡補助下右半結腸切除術を施行した.切除標本の病理組織学的検査では,腺癌と神経内分泌細胞癌が混在していた.腫瘍内の各々の占拠範囲は30%以上を占めており,mixed adenoneuroendocrine carcinoma(以下MANECと略記)と診断した.術後補助化学療法としてCDDP+etoposide(VP-16)を4コース施行し,術後30カ月無再発生存を継続している.大腸MANECの2年以上の無再発生存例はまれであり,文献的考察を加えて報告する.