日本臨床外科学会雑誌
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症例
手術治療が奏効した胃癌術後の遅発性難治性乳糜腹水の1例
藤田 啓本山 悟佐々木 智彦佐藤 雄亮川北 雄太中村 征勝
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2018 年 79 巻 12 号 p. 2408-2412

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抄録

74歳の男性.横行結腸間膜浸潤のある進行胃癌に対して,幽門側胃切除術,D1+に加えてNo.14vリンパ節郭清 ,Roux-en Y再建術を施行した.術後補助化学療法を開始して2週間経過した頃から腹部膨満感が出現した.術後3カ月のCT検査で腹水を確認し,腹水穿刺を行ったところ,腹水は乳白色を呈し,腹水中のトリグリセリドの著明な上昇を認め,乳糜腹水と診断した.保存的治療は奏効せず,治療目的で術後7カ月目に当院へ転院,リンパ管造影検査を行い,直後の単純CT検査で腹腔動脈-総肝動脈周囲にリピオドールの漏出を確認できた.開腹手術にて乳糜漏出部位を結紮縫合し,吸収性組織補強材と生理的組織接着剤を用いて乳糜漏を閉鎖した.長期間の乳糜漏は全身状態を極度に悪化させるため,難治性乳糜腹水に対しては外科的治療を躊躇することなく行い,根治させることが重要であると考えた.

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