【はじめに】経穴や局所反応点とは異なる、 強力反応点に適した鍼刺激の有効性を明らかにすることを目的として、 ランダム化比較試験 (RCT:Randomized Controlled Trial) を実施した。
【方 法】対象は2007年11月から2008年10月に、 明治国際医療大学附属鍼灸センター来院患者で筆者が担当した142名とした。 強力反応点への鍼刺激の臨床的有効性を検証するため、 1期を3ヶ月間として下記の4期に分けRCTを実施した。 RCT1は非特異点群と強力反応点群1、 RCT2は経穴群と強力反応点群2、 RCT3は局所反応点群1と強力反応点群3、 RCT4は局所反応点群2と強力反応点群4として検討した。
【結 果】非特異点、 経穴、 局所反応点よりも強力反応点への鍼刺激の方が高い臨床的有効性を示した。 また適刺激であれば刺激の量や質に関係することなく、 同等な臨床的有効性を示したことから、 刺激の場所が重要であることが示された。
【考 察】病態に応じて一人ひとり発現する場所が異なる、 強力反応点への適刺激であれば、 刺激の量と質に関係することなく、 再現性を有する臨床的有効性を示したことは、 テーラーメイドの医療や鍼灸医学の理論的基盤である 「随機制宜」 にも適い、 意義深いと考える。
【結 論】RCTの結果より、 非特異点、 経穴、 局所反応点への鍼刺激よりも、 強力反応点への鍼刺激の方が高い臨床的有効性を示した。 また、 強力反応点への適刺激であれば、 刺激の量・質・時間に関係することなく、 同等な臨床的有効性を示した。