1981 年 31 巻 1 号 p. 17-26
片麻痺の皮膚温と,“しびれ”を訴える片麻痺に対する星状神経節刺針の皮膚温に及ぼす影響を検索する目的で, 顔面と上腕部に計10穴の測定点を定めサーモグラフィ装置を用いて観察した結果, 次のような知見を得た。
“しびれ”を訴える片麻痺の患側は, 健常者はもとより“しびれ”を訴えないものの患側よりその測定皮膚温が低い傾向にある。また星状神経節刺針を行なった結果は測定穴皮膚温相互の相関性が低下する傾向が観察された。
これより“しびれ”の病態には二次的に局所の循環動態の不全が関与している可能性があるという指摘の裏づけを得た。しかし星状神経節刺針後の変化については不充分な情報しか得られず今回は結果の提示にとどめた。