目的: 外来臨床の場で, 鍼治療が血圧 (最大血圧, 最小血圧) 及び心拍数に及ぼす影響を調査した。
方法: 外来患者100名 (初診患者) について鍼治療前及び直後の血圧, 心拍数を測定し, 最終的に検討対象と成り得た50例につき t-test を用いて有意差検定を行なった。
結果及び結論: 施鍼グループとコントロールグループの比較に於いて, 最大血圧, 最小血圧は上昇, 心拍数は変化しなかった。血圧への影響からみて, 治療者は3つのグループに分かれたが, 心拍数はその3つのグループ間に差が無かった。以上より鍼治療に於いては, その生体への影響の反応経路は単一ではないことが推定された。また治療者側の個人差も, かなりの影響のあることが明確になった。