全日本鍼灸学会雑誌
Online ISSN : 1882-661X
Print ISSN : 0285-9955
ISSN-L : 0285-9955
黒野式全身調整基本穴について
黒野 保三
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 34 巻 3-4 号 p. 252-256

詳細
抄録

鍼治療を行う場合, 診断と共に重要な役割を占めるのが選穴である。この選穴に関しては, 本治法と標治法の二種類がある。鍼治療を行う場合の選穴は, 必ず経穴使用の理由が明らかにされなければならない。しかし, 標治法については, 古来より多くの文献が著わされ, 各疾病に対する経穴が記載されているが, 確たる選穴の理由は明らかにされていない。そこで, 著者は標治法の一つの基準をさぐる目的で昭和31年1月13日から昭和43年12月30日までの13年間に東洋医学研究所®に来院した患者中, 内科領域で5例以上の同一自覚症状を有する患者2,083名を対象とし, 自他覚的所見に対して如何なる経穴を使用しているかの調査検討を行ったところ, 標治法における一つのパターンが得られたので報告する。

著者関連情報
© 公益社団法人 全日本鍼灸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top