全日本鍼灸学会雑誌
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糖尿病の鍼灸治療 (第5報)
手の陽明大腸経とインスリン分泌
長谷川 汪田和 宗徳寺沢 宗典湯浅 とみの
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1987 年 37 巻 1 号 p. 39-42

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抄録

糖尿病の鍼灸治療の研究の一環として鍼刺激とインスリン分泌との関係について糖尿病の治療に繁用されている種々の経穴を用い検討し, 曲池がインスリン分泌と密接な関係を有することが明らかとなった。今回, この曲池と同じ手の陽明大腸経上に存在する合谷, 手三里, 巨骨および迎香につきインスリン分泌との関係を検討した。その結果, これら四経穴とも30分間の置鍼刺激により糖負荷後30分および60分におけるインスリンの追加分泌ならびに60分間の分泌総量および分泌反応のいずれにおいても明らかな亢進が認められた。特に合谷刺激群の亢進は著明であった。
これらの事実はインスリン分泌と手の陽明大腸経と密接な関係を有していることを示唆している。

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