全日本鍼灸学会雑誌
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頭部透針の432例の片麻痺に対する臨床効果と実験観察
包 向陽干 致順〓 申田
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キーワード: 頭部透針, 片麻痺
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1987 年 37 巻 2 号 p. 124-131

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抄録

中国では脳血管障害は, 高齢患者の内で癌や心臓病とならんで注目されている。そのうち脳血栓は3分の2を占めて, その後遺症―片麻痺についての予防と治療はたいへん重要な課題になっている。今日本で, その基礎理論の方面で深く研究しているが, 臨床の実際では広汎に使われているのはやはり薬物療法とリハビリテーションである。日本では同疾患に, 針刺をあまり使っていないから, その効果と機序について検討された報告もあまり多くないようである。
私は昨年の4月に中国黒龍江中医学院針灸学部から新潟大学脳研究所神経内科に参って研修したが, 今はもう一年間近くになる。この一年間近くの間は, 時々漢方医学で治療できるお医者さんを訪問したり, 針灸マッサージの先生方と御相談したりしたが私どもの頭部透針で脳血栓による片麻痺を治療した経験は多くの先生方に興味を持たれた。そこで十年間の入院患者432例の脳血栓による片麻痺における針刺治療とその効果, 機序について紹介する。

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