全日本鍼灸学会雑誌
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糖尿病の鍼灸治療 (第8報)
インスリン非依存型糖尿病の鍼治療
長谷川 汪
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1987 年 37 巻 4 号 p. 285-290

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抄録

糖尿病の鍼灸治療の研究の一環として鍼刺激のインスリン分泌に及ぼす影響について検討を行い, 鍼刺激により糖負荷時のインスリン分泌が亢進することが明らかとなった。
今回, インスリン非依存型 (II型) 糖尿病患者に対し曲池, 肝兪, 太衝, 脾兪および中〓を用いて週2回, 6~8週間, 置鍼療法を試みた。
その結果インスリン非依存型糖尿病患者においても鍼治療により血糖値およびインスリン分泌の改善, 就中糖負荷時のインスリン分泌の改善がもたらされた。
以上の事実は糖尿病の基本病態であるインスリンの欠乏状態, 特にインスリン分泌の予備力の改善を示唆するものと考えられる。

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