抄録
ハウスダスト・ダニ鼻アレルギーに対し, 鼻粘膜誘発テスト下で, 強鼻閉側に星状神経節を目標に刺鍼をおこない, 鍼刺激の影響を観察した。刺鍼により刺激側の鼻汁分泌の抑制がみられ (P<0.05), 刺激側で5例中4例に鼻腔通気度の改善がみられた。これらは, 頸部交感神経系の興奮によると考えた。また, 保存的治療と鍼治療を併用しておこない, 治療法としての有用性を検討した。刺鍼直後7例のうち6例に鼻閉などの自覚症状の軽減がみられた。効果の持続は4例が1日以内であり, 2例は効果が持続し症状の改善につながった。長期的に鍼治療をおこなうことにより, ハウスダスト・ダニ鼻アレルギーは5例とも全て症状の改善がみられた。