全日本鍼灸学会雑誌
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気管支喘息に対する鍼治療
発作が軽減した1症例
篠原 正明山内 教宏延原 弘明佐藤 暢
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1990 年 40 巻 4 号 p. 383-389

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抄録

今回我々は, 重症の気管支喘息患者に鍼治療を行ったところ, 自覚症状の改善をみた症例を経験したので, その経過を報告する。症例は73歳の女性で, テオフィリンや副腎皮質ホルモンの投薬を受けていた。良導絡測定の結果は, F3, F5の抑であったので, 復溜と侠谿の興奮点に弱刺激の刺鍼をした。鍼治療を開始時の発作頻度は5回/日, 発作の強さは6/10, 咳嗽の程度は6/10, 喀痰の量は8/10であったものが, 最近では頻度は6回/日と変わらないが, 強さは2/10, 咳嗽は1/10, 喀痰は3/10と減少している。プレドニゾロンを減少させていっても, 症状が軽減していることから, 鍼治療の効果はある程度あったものと思われる。

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