モグサの製造に用いる石臼について調査し, 実態の概要を知ることが出来た。
すべての工場は「ひき臼」を用いている。この臼の大きさは直径約70cm, 厚さは上臼下臼とも各20cm前後である。臼の面は6分画とし各分画に6~7本の溝を刻んでいるものが多い。回転は1分間30~50回である。下級モグサの製造には1回, 高級品では2回又は3回反覆して石臼にかて粉砕後次の工程 (筋過) に移る。
モグサ用石臼の原石は新潟県糸魚川市の早川から産出する角閃石安山岩又は紫蘇輝石角閃石安山岩である。
なお文献にもない特殊な形態の石臼を使っている工場があったので併せて報告する。