全日本鍼灸学会雑誌
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鍼灸医学の立場から見た人体横断解剖 (3)
沢井 勝三椎野 瑞穂木村 明彦五味 敏明岸 清
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1993 年 43 巻 4 号 p. 165-174

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抄録

刺鍼の深さを考察するにあたり, 局所における臓器および組織の位置関係を充分把握しておくことは大切である。そのために足の太陽膀胱経を基準とした人体横断解剖標本を作成して, 体表から何mmでどの臓器, 組織に鍼先が到達するかを検索した。前回までは大椎穴 (督脈) より胆兪穴 (足の太陽膀胱経) まで調査した結果を報告した。
今回は, 脾兪穴 (足の太陽膀胱経) より気海兪穴 (足の太陽膀胱経) までの5横断面について検索したのでこれを報告する。
脾兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を4mmで貫いて, 固有背筋群を30mmで貫き第12胸椎横突起に鍼先が達した。体表より第12胸椎横突起まで39mmを計測した。
胃兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を3mmで貫いて, 固有背筋群を28mmで貫き第1腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第1腰椎横突起まで36mmを計測した。
三焦愈穴を基準とした横断面では,鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き,皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を26mmで貫き第2腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第2腰椎横突起まで36mmを計測した。
腎兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を4mmで貫き, 皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を32mmで貫き第3腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第3腰椎横突起まで41mmを計測した。
気海兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を4mmで貫き, 皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を30mmで貫き第4腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第4腰椎横突起まで39mmを計測した。
以上の結果を鍼灸医学臨床における深さの立場から考察した。

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