全日本鍼灸学会雑誌
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日本産と中国産ヨモギの比較研究
仲西 宏元尾崎 昭弘
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1997 年 47 巻 1 号 p. 6-13

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抄録

日本産ヨモギと中国産ヨモギから精製した艾を同重量燃焼させたとき、その温度に差を生じた。そこで日本産及び中国産の乾燥ヨモギの超微形態学的差異、及びその元素組成分布を走査型電子顕微鏡 (SEM) とX線マイクロアナリシスで比較検討した。乾燥ヨモギの葉裏は、毛茸が密集しT字毛がその中に存在した。日本産は夾雑物が少なく、頭状毛を認めたが腺毛はほとんど観察しなかった。中国産は夾雑物が多く、腺毛を観察したが、頭状毛はみられなかった。X線マイクロアナリシス分析では日本産、中国産の毛茸の繊維にK、Ca、Si、Clなどがみられ、日本産にみられたSc以外は元素組成上の差異がなかった。日本産ヨモギの頭状毛はK、Ca、Cl、S、P、Siを多く認めたが、中国産ヨモギの腺毛にはこれ以外にMg、Feが含まれていた。これらのことから、日本産と中国産のヨモギの差は、微細形態的な違いとそこに含まれている元素組成の差があり、精製後の艾の品質にも影響するものと考えられた。

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