針刺激による鎮痛効果発現には刺激部位の皮膚組織よりも深部組織からの入力が関与していることが指摘されている。そこで、ネコ視床後外側腹側核 (VPL) への皮膚および深部組織よりの求心性入力の投射経路について、皮膚および深部構造への選択的通電刺激による誘発反応を指標に検討した。一部のVPLニューロンは皮膚および深部構造よりの入力の収束が認められた。深部入力は脊髄背側部を上行し、皮膚入力は背側部および両側の腹外側部を上行することが頚髄レベルでの部分切除術により明らかになった。両入力を受けるVPLニューロンへの脊髄内上行性伝導路は一部で異なることから皮膚および深部入力は視床レベルでも収束していることが確認された。