2004 年 54 巻 4 号 p. 604-619
【目的】灸治療, 灸法の標準化方法を確立し, その有用性について検討することにより, 一般に広めることを目的とした。
【方法】古典や過去に報告された論文, 文献資料などの灸法に関する記述を参考にして検討した。
【結果と考察】
1. 灸法の起源, 歴史, 分類, 効果の発現メカニズムを文献的検討により明らかにした。
2. 灸法を一般化するための, 標準化の手順について提案, 考察した。すなわち, 灸の特徴的な燃焼パターンが灸法の温熱刺激で最も重要であり, 臨床的な効果をもたらしていると考えられるが, その特徴的なパターンと臨床効果の関連について継続的な研究が必要である。
3. 灸法の有用性について検討した。
灸治療の効果としては, (1) 造血機能, (2) 鎮痛機能, (3) 免疫増強効果, (4) 抗酸化作用, (5) 利尿作用, (6) ホルモン分泌の調整, (7) 癌化の抑制, (8) 自然治癒力の促進, (9) 肝機能, 血糖値, コレステロール値などの是正などが挙げられる。