【目的】ワレンベルグ症候群に伴う不定愁訴に対して症状の推移を客観的に検討する目的で (社) 全日本鍼灸学会研究委員会不定愁訴班黒野保三班長作成の不定愁訴カルテを使用し、7回の鍼治療を施し鍼治療の有効性を検討した。
【デザイン】記述的研究である症例報告。
【方法】随証療法、太極療法 (黒野式全身調整基本穴) 、局所療法で30mm16号鍼を用い、単刺術で施術を行った。評価法は不定愁訴カルテを用い、治療期間は平成15年5月20日~平成15年7月10日までの52日間 (7回) 。
【結果】不定愁訴に改善がみられ、不定愁訴カルテの効果判定は著効となった。またワレンベルグ症候群の関連症状にも改善がみられた。
【結論】ワレンベルグ症候群に伴う不定愁訴に対して鍼治療が有効であることが示唆された。またワレンベルグ症候群の関連症状に改善がみられ、後に患者は職場復帰したことは、鍼治療がQOL向上に寄与する可能性を示した。