全日本鍼灸学会雑誌
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腱板不全断裂に対する鍼治療の一症例
美根 大介小糸 康治粕谷 大智杉田 正道江藤 文夫
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2006 年 56 巻 2 号 p. 175-181

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抄録

五十肩と同様の所見を呈していた腱板不全断裂の症例を経験し、治療効果と臨床所見について検討した。不全断裂では腱板断裂特有の所見が乏しく、ベッドサイドの検査のみでは五十肩との鑑別は困難であると思われた。しかし、器質的な障害があることにより治療に反応しにくい場合が多く、経過を観察することで両者の違いを推察することも可能と考えられた。今回の症例では、関節可動域は全方向に改善され、疼痛も初診時を10としたペインスコアで10→5と軽減は得られたが、治療経過中に症状の増悪と軽減が頻繁に繰り返され、スムーズに軽快したとは言えなかった。肩関節周囲炎は、我々の日常臨床において遭遇する機会が多い疾患であり、治療効果も期待出来ると考えられているが、多彩な病態を含んでいる危険性をふまえ、詳細に経過を観察しながら治療を行う必要があると考えた。

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