2006 年 56 巻 4 号 p. 644-655
【目的】2004年時点の日本のあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師を教育する学校養成施設141校の明治期以降の変遷と現状を分析する。
【方法】 (財) 東洋療法研修試験財団の学校養成施設名簿、全国盲学校実態調査、 (社) 東洋療法学校協会創立10周年記念誌および郵送により入手した学校案内などから、基礎になるデータを作成・分析して考察した。
【結果】141校の内訳は大学5校 (短期大学を含む) 、盲学校61校、専門・専修学校 (各種学校を含む) が66校、視力障害センターなどの養成施設が9施設であった。視覚障害者の学校養成施設はその殆どが国公立であり、晴眼者の学校はすべて私立であった。創立について、1920年代までに盲学校の創立が集中する1900年代前後、戦後のあはき法の施行に伴い比較的古い専門学校の創立が集中する1950年代前後、憩98年の福岡地裁判決以降から現在に至る新設校の創立集中時期の3期にわけることができ、それぞれについて検証した。
【まとめ】141校についての創立から現在に至る変遷及び現状が明らかになった。鍼灸専門学校の急増は、現在の鍼灸界にとってかつて経験のない大変革である。鍼灸医療市場が伸び悩む現状で、今後の日本のあはき教育が問われ、新たな局面を迎えようとしている。