2004 年 24 巻 2 号 p. 79-87
近年BISモニターなどの脳波(EEG)モニターが普及しつつあるが, 残念ながら現状では適切に使用されているとはいえない. これは麻酔中の脳波に対する基本的な知識の欠如によると考えられる. 本稿では脳波モニターを適切に使用するための基本的な知識を整理し, どのような戦略を用いれば麻酔中の脳波から必要な情報が得られるかについて解説した. 麻酔中の脳波には麻酔薬の作用だけでなく手術刺激の影響やそれを抑制する鎮痛薬の効果も反映されるため, このことを念頭におかなければ脳波モニターを活用することは困難である. またBIS値を含めた脳波パラメータによる判定には限界があるため, 必要に応じて脳波波形で判断することも大切である.