2004 年 24 巻 6 号 p. 219-222
Cornelia de Lange症候群の4歳女児に対する腹腔鏡下噴門形成術の麻酔管理を経験した. 麻酔管理上, 挿管困難と不慮の横隔膜損傷が問題となった. 挿管困難に対しては, 細径の気管支ファイバースコープを使用して経鼻挿管を行った. 術中に横隔膜を損傷し, 気胸を合併したため呼吸管理に難渋し, 気腹を中止した. 本症候群のような先天異常症候群では, 腹腔鏡下手術中の気胸は気腹圧の影響によって, とくに重篤になりやすい. 重篤な疾患を合併した小児のハイリスクな症例に対して腹腔鏡下手術を行う場合には十分な注意が必要であり, 安易に行ってはならない.