2005 年 25 巻 7 号 p. 616-625
麻酔科医はTEEの結果を直接術中管理に反映させることができるが, 忙しい麻酔管理中にいかに効率的にTEEを行うか, 正確に診断するかということは大きな問題である. TEEを効率よく行うためには, 診るポイント・診る順序を決める, 視覚的評価の多用, 外科医や人工心肺技士との画像の共有といった点が重要である. CABGにおいては局所壁運動異常, 左室機能, 動脈粥状硬化病変・弁疾患などの術前に認識されていない病変の評価を行い, さらにOPCABの場合には脱転時の圧迫所見, 三尖弁・僧帽弁逆流の増加がないかを併せて確認する. また, 種々のカテーテル, カニューレ留置のガイドとしての使用, 心内遺残空気の確認は患者の安全を守るために役立つ.