日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
ラジオ波焼灼術後に重症肝不全をきたしたChild B肝硬変合併肝細胞癌の1症例
奥野 栄太垣花 学大城 匡勝須加原 一博
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2006 年 26 巻 3 号 p. 277-280

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抄録

  直径5cmを超える巨大肝細胞癌に対しラジオ波焼灼術を施行し, 重症肝不全をきたし術後7日目に死亡した症例を経験した. 症例は, 67歳, 男性. 冠動脈バイパス術後の輸血によるC型肝炎から肝硬変をきたし, 肝細胞癌を発症した. 診断時すでに腫瘍径が5cmを超えており, またChild-Turcotte分類Bの肝機能低下を認めた. 全身麻酔下, 開腹によりラジオ波焼灼術が行われた. 術中の麻酔経過にとくに問題はなかった. 術後より徐々に肝機能が悪化し, 術後7日目に死亡した. 肝機能低下を認める症例にラジオ波焼灼術を施行する場合には, その適応について外科医との間で十分な検討が必要と考えられた.

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© 2006 日本臨床麻酔学会
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