2006 年 26 巻 7 号 p. 621-626
新医師臨床研修制度において, 麻酔科は基礎研修科に位置づけられ, すべてのローテート医師が研修することになった. 本稿では新制度の検証, 麻酔科指導医の意識変化, 麻酔科研修の自己評価, 新制度の麻酔科指向への影響について私見を述べた. 厚生労働省が行ったアンケート調査によれば, 新制度に満足している研修医は大学病院では3分の1にすぎず, 今後, より一層の大学病院離れが懸念される. すべての研修医に麻酔科をアピールする好機であると考えられるが, その反面, 指導内容には若干の軌道修正が必要かもしれない. 研修内容に関する自己評価では手技優先の傾向がうかがえた. 最後に, 科の選択には業務以外にも生活様式など 「生活の質」 が影響することを米国学生の調査結果から紹介した.