2006 年 26 巻 7 号 p. 718-721
近年, 医療行為におけるリスクマネジメントが強く求められるなかで, 当院では2003年に麻酔前指示票を作成し, 術前絶飲食指示方法を院内で統一した. しかし, 絶飲食の確認が十分になされていないことが判明し, 確認方法も院内統一とした. 今回, 術前絶飲食指示・確認方法の院内統一後に小児の麻酔導入時誤嚥性肺炎を経験し, 適切な術前絶飲食の確認およびその後の迅速な処置と対応により患者家族とのトラブルを避けることができた. 術前絶飲食など必須の処置は, 統一された適切な指示・確認方法を確立することがリスクマネジメントの観点から重要である.