2007 年 27 巻 4 号 p. 310-316
最近, 短期間の周術期管理・集中治療管理が術後1~2年の予後を左右するという驚くべき研究報告が相次いでいる. 麻酔科領域における新時代を開く報告であると思われる. この因子として, 周術期のβ遮断薬, α2アゴニストやスタチンの投与, 周術期の血糖や体温の厳重な管理, 揮発性麻酔薬によるプレコンディショニング, 麻酔深度など, 多くの因子が具体的に生命長期予後に影響する, あるいはその可能性が次々と報告され始めた. また, 集中治療室における鎮静方法が精神的予後を変える, 麻酔方法によりがんの転移の頻度が変わるなどの可能性もあることが報告されている. これらについて, 最近の文献を紹介する.