日本臨床麻酔学会誌
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講座
ガイドライン2005 BLS編
藤田 智
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2008 年 28 巻 2 号 p. 289-292

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抄録

  心肺蘇生のガイドライン2000において早期除細動が強調され, AEDを用いて蘇生に成功した症例が数多く報告されるようになってきていた. しかしながら, 実は蘇生率がそれ以前とあまり変わっていないという報告が出てきた. そのために2005年のガイドラインではいくつかの変更がなされた. 特に大きな変更はBLSの部分で, 「Push Hard, Push Fast, Do not interrupt, Allow recoil, Avoid hyperventilation」 に示されるように, より質の高いBLSが要求されるようになった. そのため胸骨圧迫と換気の比 (CVR) は, 15 : 2では胸骨圧迫の中断時間が長いことから30 : 2へ変更された. また, 換気時間も, 1回2秒から1秒へと変更となった. 心室細動に対する3連続除細動も, 3連続の間心電図の解析, 除細動と継続すると胸骨圧迫の中断が長くなる, 3連続除細動が有効な症例の多くは1回目の除細動で波形が変化しているということから, single shockに変更された.

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© 2008 日本臨床麻酔学会
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