日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
日本臨床麻酔学会第27回大会 シンポジウム レミフェンタニルは麻酔法を変えたか
神経麻酔におけるレミフェンタニル, フェンタニル併用法
佐藤 清貴上井 英之加藤 正人
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 28 巻 3 号 p. 387-392

詳細
抄録

  神経麻酔において鎮痛薬としてレミフェンタニルを主に使用した場合の, 適切なフェンタニルの併用量を検討することを目的とした. 対象は脳外科予定手術症例75例で, 閉頭の際にフェンタニルを2μg/kg (RF2群) または3μg/kg (RF3群) 併用し, 併用しなかった場合 (R群) と比較検討した. 麻酔はプロポフォール, レミフェンタニル, ベクロニウムにより, 導入・維持した. プロポフォール, フェンタニルの平均投与速度は群間で差がなかった. またフェンタニルを併用しても覚醒時間は延長しなかった. 抜管時の高血圧はRF3群で有意に少なかった. 術後疼痛の訴えはR群で2例, RF2群で1例あったが, RF3群ではなかった. 神経麻酔において, プロポフォール, レミフェンタニルによる麻酔にフェンタニルを併用する場合, 3μg/kgが適切と考えられた.

著者関連情報
© 2008 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top