日本臨床麻酔学会誌
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ロクロニウムの上手な使い方(第1回)
ロクロニウムの一般的臨床使用の実際—小児麻酔におけるロクロニウムの使用法—
武田 敏宏香川 哲郎
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2008 年 28 巻 4 号 p. 685-690

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抄録
 ロクロニウムは作用発現時間が速いことが特長であり, 全身麻酔導入から気道確保までの間の低換気や誤嚥などの危険性を減らすことができ, 非常に有用な筋弛緩薬である. 投与量によっては, スキサメトニウムに匹敵するほどのrapid onsetが期待でき, かつ副作用もほとんどない. 小児でのロクロニウムの作用持続時間は成人よりも短く, 短時間手術が多くを占める小児外科領域においても使用しやすい. しかし, 新生児や乳児は薬力学的・薬物動態学的に成人や他の年齢の小児と異なるため, 筋弛緩作用が遷延する場合があり注意が必要である.
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© 2008 日本臨床麻酔学会
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