日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
第10回エピドラスコピー研究会
エピドラスコピーの今後の課題
平川 奈緒美垣内 好信笹栗 智子石川 亜佐子
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 31 巻 3 号 p. 531-537

詳細
抄録

  われわれは2005年よりエピドラスコピーを導入し,現在症例を増やしてきている.脊柱管狭窄症,腰椎椎間板ヘルニア,腰椎手術後症侯群(FBSS),硬膜外膿瘍後および硬膜外血腫後癒着性くも膜炎症例に対して,エピドラスコピー治療を行ってきた.難治性腰下肢痛の神経根症状で癒着剥離ができた症例では,長期間有効である.しかしながら,再癒着症例や癒着剥離困難例では,現在のエピドラスコピーの手技のみでは限界があり,内視鏡が細くて視野も十分でなく,鈍的な剥離しかできない.海外では,径が大きい内視鏡を用いて,鉗子で結合組織を切除する方法も紹介されている.今後は,このような方法も安全に行うことができるようになれば,より治療効果が上がると考えられる.

著者関連情報
© 2011 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top