2011 年 31 巻 3 号 p. 531-537
われわれは2005年よりエピドラスコピーを導入し,現在症例を増やしてきている.脊柱管狭窄症,腰椎椎間板ヘルニア,腰椎手術後症侯群(FBSS),硬膜外膿瘍後および硬膜外血腫後癒着性くも膜炎症例に対して,エピドラスコピー治療を行ってきた.難治性腰下肢痛の神経根症状で癒着剥離ができた症例では,長期間有効である.しかしながら,再癒着症例や癒着剥離困難例では,現在のエピドラスコピーの手技のみでは限界があり,内視鏡が細くて視野も十分でなく,鈍的な剥離しかできない.海外では,径が大きい内視鏡を用いて,鉗子で結合組織を切除する方法も紹介されている.今後は,このような方法も安全に行うことができるようになれば,より治療効果が上がると考えられる.