2011 年 31 巻 4 号 p. 620-628
本セッションでは「各国の医療事情」というテーマで,海外での医療経験を有する麻酔科医と中国の医師を招いて行われた.しかし日本人の多くが医療行為に携わっている欧米諸国からの報告ではなく,中国,東南アジア,中東といった,むしろ日本人医師としては比較的なじみの薄い,しかし近隣の諸国における活動報告であった.こういった諸国での医療活動は欧米における活動とは異なり,医療行為に参加し共同で治療行為に当たることが多い点が特徴である.したがって活動の方法や内容は多岐にわたる.本稿では異なった医療連携の方法として,厚生労働科学研究費によるベトナムでの研究活動とベトナムの医療事情について述べた.