日本臨床麻酔学会誌
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原著論文
エアウェイスコープ®の習熟度評価と挿管困難対策用具としての有用性について
内田 慎也荻野 祐一齋藤 繁
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2011 年 31 巻 4 号 p. 678-684

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抄録

  本邦においてエアウェイスコープ®(AWS)は画期的な気道挿管用具として急速に普及しつつある.われわれは,AWSの有用性を調べるため,(1)Macintosh型喉頭鏡とAWSによる声帯視野の比較,(2)Macintosh型喉頭鏡とAWS使用時の挿管時間および易習熟性の比較,(3)術前に挿管困難症が予測し得なかった症例(挿管困難症例)において,AWSをMacintosh型喉頭鏡に続く第2選択として使用したときの有用性の3点の評価を行った.その結果,AWSはMacintosh型喉頭鏡に比して経験回数に比例した有意な挿管時間の短縮が見られ,Macintosh型喉頭鏡で気管内挿管に難渋する症例でも容易であった.群馬大学医学部附属病院の1年間における全身麻酔症例4,198例中,手術前に挿管困難症が予測できず,かつMacintosh型喉頭鏡で挿管できなかった挿管困難症例(挿管困難遭遇症例)は37例(遭遇率0.881%)であり,その全例においてAWSを用いた挿管に成功した(3例はfiberscopeもしくはガムエラスティックブジーを併用).結論として,AWSは比較的容易に習得が可能で,挿管困難症例遭遇時に有用であることが示唆された.

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© 2011 日本臨床麻酔学会
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