2011 年 31 巻 4 号 p. 696-699
重症筋無力症(myasthenia gravis:MG)の治療として胸腺摘出術を受け,10ヵ月後に転移性胸腺腫で再手術を要した症例を経験した.1度目の手術の際は術後に呼吸補助は不要と予測したが実際には呼吸補助を要し,2度目の手術の際は術後に呼吸補助は必要と予測したが実際には呼吸補助を要さなかった.本症例の術後呼吸補助の要否を決定した要因は,手術侵襲が最も大きいと考えた.MG合併症例は術前状態の評価に加え,術式を含めた手術侵襲も考慮し術後の呼吸管理計画を立案する必要がある.