日本臨床麻酔学会誌
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〔日本医学シミュレーション学会〕第7回日本医学シミュレーション学会 シンポジウム ─病院内に発生しうる患者に起因しない緊急事態─
地震,津波,そして原子力災害に対し訓練はどう生かされたか
島田 二郎田勢 長一郎塚田 泰彦長谷川 有史池上 之浩飯田 裕司
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2013 年 33 巻 1 号 p. 126-130

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抄録
  東日本大震災において,福島県立医科大学附属病院は基幹災害拠点病院として,そして原子力災害発生後は二次被ばく医療機関として,待ったなしの対応を迫られた.その中で実践に則したシミュレーションは大いに役立った.しかしながら今回の災害は,想像を絶する災害であり,多くの面で想定を超えたものであった.想定を超えるから災害が起こるのであって,いかに準備しようとも,完全な対応は不可能と思える.起こってしまったときに,いかに迅速に的確な対応をとれるかが,被害を最小限に抑える鍵であり,その鍵をかたどるのは個人の力ではとうてい及ばず,人の和の力である.そして,人の和を結集する鍵は調整であり,その調整を学ぶ場が望まれる.
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© 2013 日本臨床麻酔学会
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