2013 年 33 巻 4 号 p. 545-549
東海地方において,巨大地震が発生する可能性が高いことが知られている.発生時は東海地方以外にも及ぶ広範囲な被害が想定されるために,しばらくは応援が得られず,孤立する可能性が高いことが指摘されている.これに対して,地震発生時の災害対策教育が準備されるべきであるが,十分ではないのが実情である.最近,東日本大震災における集中治療室・手術室などで災害に直面したときの情報を得る機会が多いが,そこから学ぶことができるのは,「想定外の事態を減らすことで,被害を少なくできるかもしれない」ということである.われわれの施設で行っている麻酔科医を含む手術室内のスタッフに対する災害に対する教育を中心に紹介する.