抄録
世界保健総会で2002年に決議された患者安全の取り組みの第2の挑戦としてWHOが選択した目標が「手術安全」である.その方策としてWHOはガイドラインとともにチェックリストの使用を推奨している.日本においては依然として手術関連重大事象が発生し続けているが,その導入は進んでいない.ガイドライン,チェックリストとともに,スターターキット,スピーカーズ・キットなど,ほとんどのツールは日本語訳され利用できる.先進国からも,チェックリストの使用により,有意に死亡を含む事象の減少と患者転帰の改善が見られたとする報告も得られている.日本におけるWHOチェックリストの普及が望まれる.