2015 年 35 巻 3 号 p. 387-392
「気道確保が困難な症例での気道確保法」の適切なガイドラインを策定する上での問題点として,気道確保困難の原因が多種多様,換気困難の原因の多くは不明,気道確保操作自体により気道確保困難を引き起こし得る,致死的誤嚥性肺炎と食道挿管が合併する,エビデンスに基づく気道確保法が確立されていない,などがある.改善点として,気道確保困難と誤嚥が予測される場合の適切な対処法,覚醒下挿管時の適切な鎮静薬,鎮痛薬の種類と投与量,“レスキュー”器具としての声門上器具をどの時点で使うべきか,“最終手段である”経皮輪状甲状間膜カニューラ穿刺が無効のときにどうするか,などのより具体的な考え方を示すべきであろう.